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ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008



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ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008
ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008

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読後感は重かった。

もっと無邪気にレコードを買いまくり、旨いものを食べ、といった日常が描かれてると思ってたし、実際レコードを買いまくって旨そうなものは食べているのだけど、うつなムードがにじんでいる。別れた奥さんの娘との半年に一度の面会の後には「自分の四十代はトータルでは失敗だったのかもしれない。子供とはあまり会わないほうがいいのかも。」とこぼすし、本の最後の日記ではこう締めている。「そしていま、真夜中にレコードを聴いていると自分の老後はもう始まっているのかもしれない、と思う。一日中、小さな音でレコードを聴く生活。読書をして、何か食べて、倹約する生活」
読む者の心を弾ませ、鼓舞させる嬉しい1冊。

 小西康陽と言えば、もちろんピチカードファイヴの小西であり、DJ、作曲家、音楽プロデューサーとして活躍する小西である。音楽を聴いて、そのセンスの良さに心弾む事が多いのだけれど、私にとって、小西康陽と言えば、実はコラムニストとしてのイメージが思い浮かぶ。特に、彼が映画について論じているモノは、本当に映画への愛と歓びに満ち溢れている。かってイーストウッドの「ガントレット」やレスターの「ナック」やアルドリッチの「特攻大作戦」を語っていた時の文章の何と素晴らしかったことか!今作はこの15年間に様々な活字媒体に掲載されたコラムを選択抜粋した1冊。購入して1週間、合間を見つけて読み続けているのだけど、未だ完全読破できないヴォリューム&濃縮感(笑)。映画について言及しているモノが少ないのが残念だが、でも、やっぱりイイよなぁ、この感性。世界中を旅しながら、大好きなレコード、本、ファッション、食べ物を貪る。パリ、ジャズ、ポップ・ミュージック、スウィギング・シクスティーン、ヌーヴェル・バーグ、渋谷系、、、俎上にあげられる対象への愛がみなぎっていて、読んでいる側も浮き浮きしてしまう事確実なのだ。そして博覧強記で切なさも秘めた軽妙洒脱なコラム群の序盤でページをめくる毎に目につく“戦争に反対する唯一の手段は?”とは果たして何なのか、本文中のあるコラムで示されている答えのその明晰さとイズムに小西の想いを感じる。
雨降りだから小西康陽のコラムを読もう

まずピチカート・ファイヴ?小西康陽の音楽のファンの方に、
晶文社の植草甚一や小林信彦のスクラップブックを古本屋で集めている方に、
絶滅寸前のレコードジャンキーに、
名著「これは恋ではない」を読んだ方に、読んでいない方にも、
そして吉田健一の酒の話や、壇一雄の料理の話が好きな方に、
この本を薦める。
個人的にはちょっとシニックでエロティックな、嘘話とも実話ともとれるコントを何度も読み返すだろう。



朝日新聞社
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